金融リテラシーが高い欧米諸国に比べ、日本には「借金は悪いこと」という風潮が根強く残っています。
しかし、本当にすべての借金が悪なのでしょうか。
金融リテラシーが低いために、「お金を借りることは怖いこと」と決めつけてしまってはいないでしょうか。
この記事で、「良い借金」と「悪い借金」について一緒に考えてみましょう。
「借金」と聞くとどうしてもネガティブな印象を受けがちですが、借金には「良い借金」と「悪い借金」があります。
ギャンブルや散財を繰り返し、返す当てもないまま無計画に借りる借金は「悪い借金」。
一方で、借りた額以上の価値が見込める借金は「良い借金」であると考えられます。
たとえば、家のように「生活に必要なもの」を購入するための住宅ローン。
あるいは、大学進学や資格取得の必要資金をまかなうための奨学金。
不動産投資に必要な物件を購入するための不動産投資ローンも「良い借金」のひとつであると言えるでしょう。
こうした「良い借金」に共通しているのは、「将来的に自分に役立つものを手に入れるための借金=自己投資」が目的であるということです。
とはいえ、どれほど素晴らしい目的を掲げていたとしても、返せる見込みがない借金は「良い借金」とは言えません。
あくまで「返せる見込みがあり、かつ借りた額以上の価値が見込める借金」であることが大切です。
長期にわたって家賃収入が見込め、保有している投資用物件を次の世代に受け継ぐこともできる不動産投資は、人生において最良の自己投資であると言えます。
そんな不動産投資を行ううえで、物件の資産性は極めて重要となります。
しかし、資産性の高い物件は高額であることがほとんどです。
価値に対して割安な掘り出し物もなくはないですが、そうした超好物件に出会える機会はごく稀であり、相応の物件価格が必要になることが一般的です。
もし、物件価格は高額であるものの、長きにわたって高い収益性が見込める物件であれば、「良い借金」をして購入することも選択肢のひとつです。
その際は、修繕費などの突発的な出費にも備えられるよう、余裕をもったキャッシュフローで不動産投資ローンを組むようにしましょう。
多くの人は、家を買うにあたって当然のように住宅ローンを借り入れます。
にも関わらず、不動産投資ローンを借りるとなると「なんとなく怖い」「借りることに不安がある」と感じてしまうのはなぜでしょうか。
その大きな理由は、不動産投資を含むすべての投資には「元本割れリスク」があるからだと考えられます。
万が一元本割れしてしまっては、借りたローンを返すことが難しくなってしまうためです。
投資には必ず元本割れリスクがつきまといます。
この元本割れリスクを最大限回避すべく、不動産投資においては、資産性が高くて安定した利回りが期待できる物件を探すことが重要となるのです。
もし、元本割れによって返済が滞ることを恐れ、不動産投資ローンを組まずとも購入できる手頃な物件を購入したとしたらどうなるでしょうか。
手頃さを重視し、魅力が少ない物件で妥協した結果、空室が続いてしまっては元も子もありません。
失敗に気付いて物件を手放そうにも、資産性の低い物件は売るために多大な労力が必要な一方で売却金額はそう高くなく、期待通りに売却することすら困難かもしれません。
そう考えれば、たとえ一時的に大きな借金を背負ったとしても、長きにわたって安定した収益を上げられる物件のほうがよほど理想的ではないでしょうか。
この記事では、「返せる見込みがあり、かつ借りた額以上の価値が見込める借金」であれば、必要以上に恐れることはないことをお伝えしてきました。
とはいえ、不動産投資ローンは借入額が高額になることが一般的です。
急に大きな借金を背負うことに不安があるという方は、少額から始められるJ-REITや不動産投資クラウドファンディングなどから着手し、まずは不動産投資そのものに慣れてみることもひとつの手段です。
少額投資を通じて不動産投資の機微を学び、知識と自信を蓄えたうえで「良い借金」を活用し、大きな収益につなげてみてはいかがでしょうか。