新型コロナウイルスの感染拡大により、経済は大きな打撃を受けています。
コロナとの共存・共生を意味する「Withコロナ」という言葉も一般的になり、コロナ拡大前の2019年以前と今とでは、さまざまなものが大きく変わってしまいました。
そんなWithコロナは、賃貸経営にも影響を及ぼすのでしょうか。
結論から申し上げますと、住まいの確保は人々の暮らしにおける最重要項目ですので、賃貸需要自体が大きく低下することはないでしょう。
そのため、賃貸経営そのものには、そこまで大きな影響はないと考えられます。
とはいえ、建築費や土地価格が変動したり、好まれる物件の種類が変わったりという影響も少なからず出ています。
具体的にどのような変化が起きているのか、早速見ていきましょう。
まずは、Withコロナによって、すでに影響が出ている部分を見ていきましょう。
コロナ禍以前と比べて、お目当ての投資用物件が検討しやすくなっている可能性もありますよ。
東京オリンピックによる特需もあり、この10年ほど続いていた建築費の上昇・高止まり状態。
しかし、Withコロナ時代に入ってからは徐々に下降傾向にあり、とりわけ東京や名古屋で下げ幅が大きくなっています。
建築費が落ち着けば、賃貸物件の建築や修繕費用も抑えられますので、不動産投資家の皆さんにとっては追い風であると言えるでしょう。
国土交通省が発表している地価LOOKレポートによると、2020年7月1日~10月1日の主要都市の地価は横ばいのものが多く、下落するエリアも増加しています。
土地価格はこれまで5年連続で上昇していましたが、Withコロナによって、その上昇に歯止めがかかった状況と見られています。
これにより、不動産価格の値上がりもひとまず落ち着きを見せることが予測されます。
これまでは高値すぎて手が出せなかった物件も、Withコロナによって手が届くようになるかもしれません。
続いて、Withコロナによる今後の賃貸経営を見ていきましょう。
Withコロナ時代においては、選ぶべき投資用物件も変わってきます。
この状況下においてはどのような物件が好まれるのか、本段落で分かりやすくご紹介していきます。
Withコロナ時代においては、オフィスに出社しない「テレワーク(リモートワーク)」という考え方が広く普及しました。これにより、
といった理由から、低価格で広いスペースが確保しやすい郊外物件に注目が集まるようになっています。
また、外出自粛のために自宅時間が増え、豊かな居住空間を求めるようになったことも、こうした傾向を後押ししています。
事実、近年における東京都の「転入超過数(転入者数から転出者数を差し引いた数字)」は、他の道府県よりも突出して高くなっていましたが、Withコロナによってその数が大きく縮小し、2020年5月には一転して転出超過に。
翌月の6月には転入超過となったものの、その後7月には再び転出超過となり、以降6ヶ月にわたって転出超過の状態が続いています。
テレワークの普及により、テレワークに適した住環境が重視されるようになっています。
とりわけ重要となるのが、安定したネット回線とワーキングスペースです。
賃貸情報サイトの中には「テレワーク向けの物件特集」を組むサイトなども出てきており、テレワーク環境が整った物件の需要が高まっていることが伺えます。
Withコロナが不動産市場や賃貸経営に与えた影響は小さい、と言われてはいるものの、やはり少なからず影響は出ていることがお分かりいただけたかと思います。
Withコロナによって、以前はとても魅力的だった物件が、今はそうでもなくなってしまっている可能性もあります。
逆に、前に見たときは惹かれなかった物件も、今の状況によくマッチしていることに気付くかもしれません。
物件購入をご検討中の方は、今一度、検討中の物件がWithコロナ時代に合ったものかどうかをご確認してみてはいかがでしょうか。