「18歳、19歳の若者の自己決定権を尊重し、積極的な社会参加を促す」ことを目的に、2022年4月1日に成人年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
我が国における成人年齢の変更は、明治9年の設定以来初めてとなります。
これにより、まだ多くが高校や大学に在籍中の「学生」である18歳・19歳であっても、親権者の同意なしに口座開設や契約の締結ができるようになりました。
原則として、自らの意思で証券口座を開設するには成人している必要があり、未成年が証券口座を開設するためには、
などといった制限をクリアする必要があります。
また、たとえ証券口座を開設できたとしてもインターネット上では取引できず、本支店でのみ取引可能といった制限を設けている証券会社もあります。
こうした制限のため、10代で投資を始めるハードルはなかなかに高いものがありましたが、2022年4月1日に成人年齢が18歳に引き下げられたことで、10代でもこうした制約なく自らの意思で証券口座を開設できるようになりました。
これにより、10代からの投資ハードルは大きく引き下がることとなりました。
「10代のうちから投資を始める意味なんてあるの?」
「投資なんて、ある程度年齢を重ねた投資家がするものじゃないの?」
というイメージがあるかもしれませんが、そうとは限りません。
18歳から投資を始めると、以下の3つのメリットが得られます。
複利効果とは、運用によって得た利益を再び投資に回すことで元本を増やし、より高い収益が見込めるようになる効果のことです。
利益が上がれば上がるほど元本が膨らむため、同じ利回りで運用していたとしても得られる利益が増え、それを再投資することでさらに元本が膨らんでいき、雪だるま式に利益が増えていくことを指します。
単利(利益を元本に含めない方法)と複利で運用した際の違いを見てみましょう。
100万円の元本で、年利5%の運用を続けたとします。
(手数料や税金、利率の変動などは考慮していない単純計算となります)
元本が常に一定であるため利益も一定である「単利」での運用に対し、「複利」では前年の利益も元本に含めて運用しますので、年を経るごとに元本と利益が膨れ上がっていくことがお分かりいただけたかと思います。
グラフを見れば顕著に分かるとおり、複利効果は長く運用すればするほど高まりますので、18歳から投資を始めておけば極めて高い複利効果を得ることができます。
投資に携わると、自然と金融リテラシーが身についていきます。
日本人は欧米諸国と比べて金融リテラシーが低いと言われていますが、日本が「預金大国」であり、投資後進国であることがその一因と言われています。
投資を通じて金融リテラシーが身につくと、
などのメリットが得られ、老後も含めて安定した生活を送ることが可能になります。
民法上で成人したとはいえ、18歳といえばまだまだ遊びたい盛りでしょう。
行きたい場所も、やりたいことも、着たい服も山ほどあると思います。
そうした希望を叶えるためにはお金が必要ですが、投資によって安定した収益を上げられるようになれば、これまでは金銭的事情で諦めざるを得なかったことにもチャレンジできるようになります。
「お小遣いだけじゃ足りない」
「バイトばかりで、今度は遊ぶ時間がない」
と嘆くのは終わりにして、投資という新しい可能性を選んでみてはいかがでしょうか。
もちろん、18歳から投資を始めるにあたってはデメリットも考えられます。
まだ社会経験がほとんどないにも関わらず、親権者の同意なしに自由に物事を決められる「18歳の新成人」は詐欺師にとって格好のターゲットです。
「確実に儲かるうまい話がある」
「今買わないと他の人に取られてしまう」
などの甘い文句で投資を持ちかけ、お金を巻き上げる投資詐欺に巻き込まれてしまわないよう注意しましょう。
18歳の方の多くは、高校や大学に在籍している「学生」です。
まだ就労しているわけではないため、投資に回せる資金もそう多くはないでしょう。
そんな若者世代の投資は、少額から始め、複利効果を活かしながらコツコツと利益を積み上げていくことがセオリーとなります。
投資を始めると、ついつい株価や経済ニュースなどが気になってしまうもの。
保有株の株価が不安定な時は、授業中も上の空になってしまうかもしれません。
投資は将来のためになりますが、学生の本分である学業を疎かにしてしまわないよう注意が必要です。
投資方法はさまざまありますが、なかでも18歳の新成人におすすめなのが「不動産投資」です。
不動産投資は、長期にわたって安定した収益が期待できるミドルリスク・ミドルリターンの投資方法です。
かつ、面倒な管理運用などは不動産会社に委託できるため、学業や遊びのための時間を圧迫する心配も少なく済みます。
株式投資やFXのように短期間での大幅な値動きもほとんどないため、「株価が気になって授業に集中できない」「運用に時間を取られ、部活や遊びに費やす時間がない」といったデメリットも抑えられます。
とはいえ、不動産を個人所有するためにはまとまった資金が必要となるため、18歳の新成人にはハードルが高いのが実情です。
18歳から投資を始めるのであれば「REIT」や「不動産小口化商品」のように少額から始められる不動産投資を選び、徐々に資金を貯めていくことがおすすめです。
資金とともに不動産投資に関する知識や経験を蓄えていけば、社会人となって収入が増え、十分な自己資金を手に入れたタイミングで、夢の投資用物件を手に入れることができるでしょう。