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コロナ禍で賃貸需要はどう変わる?都内過疎化は本当?今後の賃貸経営のポイント

2022年4月1日 金曜日

新型コロナウイルスの感染拡大により、世の中の在り方が大きく変わった昨今。
そうした変化のひとつとして「都内の過疎化」が叫ばれています。

メディアで目を引く「東京都からの転出者数が転入者数を上回る(転出超過)」や「郊外の物件に移住する人が増加」などを主題とした記事の数々……。

しかし、本当に都内の過疎化は進んでいるのでしょうか?
コロナ禍において、都内の賃貸需要が低迷してしまっているのでしょうか?
この記事では、そんな噂の実態に迫ります。

「都内の過疎化」はごく限定的な現象に留まる

結論から申し上げると、「都内の過疎化」はごく一部でのみ起こっている事象であり、不動産投資市場に大きなインパクトを与えるほどではありません。
意向としては確かに「郊外志向」が高まってはいるものの、実際に転出した人は少ない、というのが実情です。
賃料もコロナ禍以前の水準をほぼほぼ維持しており、メディアが取り上げるような深刻な都内過疎化は、現実には起こっていないことが分かっています。

「今後も過疎化が進むため、都内の不動産投資は避けたほうがいい」
「コロナによって東京一極集中の時代は終わった」

といった声も聞かれますが、実際には、withコロナ/afterコロナの時代においても東京の賃貸需要は堅実に高水準を保ち続けると予測されます。

コロナ禍における賃貸需要の変化ポイント

とはいえ、コロナ禍において賃貸需要にいくつか変化が起こっているのも事実。
とりわけ特徴的なのが以下の3つです。

  • 駅近の需要がやや低まった
  • 宅配ボックスや遮音性の高さなどが求められるように
  • 高速インターネットの需要が高まる

駅近の需要がやや低まった

コロナ禍以前は「賃料が高くても駅近がいい」というニーズが多く、駅近物件の支持率は極めて高い傾向にありました。
しかし、新型コロナウイルスの蔓延によって、

  • テレワークが普及し、「必ずしも出社しなくてよい(出社機会が減る)」という新たな働き方が根付いた
  • 失業や休業によって生活的に困窮し、賃料の高い物件に住み続けることが困難になった

といった状況が生じた結果、駅近の優先度を下方修正する人が増えてきたのです。
今後は「賃料が高いが駅近」の物件よりも、「駅からは離れているが居住スペースが広く、賃料も安い」物件の人気が高まってくることが予想されます。

宅配ボックスや遮音性の高さなどが求められるように

コロナ禍における「新しい生活様式」は、賃貸物件の人気設備にも影響を及ぼしています。

たとえば、人との接触を避けられる宅配ボックス。

配達員と直接顔を合わせず、玄関先などに荷物を置いてもらう「置き配」というスタイルも普及しましたが、置き配の盗難被害が続出するなどの問題も起きており、安心して荷物を受け取ることができる宅配ボックスの需要が高まっています。
他にも、テレワークや外出自粛などによって日中の在宅時間が増えたことから、高い遮音性を求める声もよく聞かれるようになりました。

高速インターネットの需要が高まる

賃貸物件における人気設備ランキングでは1位の常連ともいうべき「Wi-Fi無料」。
コロナ禍においては、そこからさらに一歩踏み込んだ「高速インターネット」の人気が高まっています。
テレワークによる在宅勤務中の人や、外出を避けておうち時間を楽しむ人にとって、インターネット環境の品質は死活問題。
これからは「Wi-Fi無料」に留まらず、「高速インターネット完備」が求められる時代になるのかもしれません。

まとめ

表面的な転入転出者数だけを見れば、たしかに東京の転出者数は増加傾向にあります。
しかし、依然として東京の賃貸需要は高く、コロナ禍においても需要の高さは揺るがないものと考えられます。
ただし、賃貸需要の大半を学生が占めているエリアの場合は少々注意が必要です。

大学や専門学校においては、感染拡大防止の観点から遠隔授業(リモート授業)が取り入れられていることも多く、「都内の学校に在籍しつつも地元で過ごす」という生活スタイルの学生も少なくないためです。
都内の過疎化は限定的な事象であり、都内の不動産投資市場全体で見るとそこまでインパクトはありませんが、学生需要が抜きん出ているなど、特定の層に依存しているエリアでは何かしらの影響が出ている可能性もあります。

投資用物件を検討する際には、直近のエリアの動向もしっかり抑えておくようにしましょう。