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マンション管理適正評価制度とは?評価される項目やメリットをチェック

2022年4月8日 金曜日

2022年4月からついに導入される新制度、「マンション管理適正評価制度」。

マンションオーナーの方はもちろん、マンションの購入を検討している方からも注目を集めている新制度ですが、その内容やメリットを詳しくご存知でしょうか?

導入が間近に迫った今、ぜひこの記事で、マンション管理適正評価制度の予習を済ませておきましょう。

マンション管理適正評価制度とは

「マンション管理適正評価制度」とは、読んで字のごとく、マンションの管理状態を適正に評価するための制度です。

管理状態の評価は一般社団法人マンション管理業協会が主体となって行い、その情報はポータルサイトなどのインターネット上に公開されることとなります。

マンションの適切な管理を促すことによって、年々増え続ける中古マンションの資産価値維持・向上を目指す「マンション管理適正評価制度」。

高い評価を獲得できればインセンティブを受けられる可能性もあることから、マンションオーナーや購入希望者たちから多く注目を集めています。

評価対象となる項目

評価対象となるのは30項目で、その特性ごとに5つのカテゴリーに分類されています。

  1. 管理体制
  2. a.管理者の設置
    b.総会の開催、議事録の作成
    c.規約の整備状況
  3. 管理組合収支
  4. a.管理費会計の収支
    b.修繕積立金会計の収支
    c.滞納管理費等への対策
    d.修繕に関する資金計画の状況
  5. 建築・設備
  6. a.法定点検の実施
    b.長期修繕計画書の有無
    c.修繕履歴の保管
  7. 耐震診断
  8. a.耐震診断の実施の有無
    b.耐震診断の結果、改修計画の予定の有無
  9. 生活関連
  10. a.設備等異常時の緊急対応
    b.消防訓練の実施
    c.防災マニュアル等の整備状況

それぞれに割り振られた点数は、管理体制(20点)/管理組合収支(40点)/建築・設備(20点)/耐震診断(10点)/生活関連(10点)の計100点。

最終的に、5カテゴリーすべての合計点に基づき、マンション全体の評価が6段階で決定されることとなります。

マンション管理適正評価制度のメリット

マンション管理適正評価制度の施行によって、以下のメリットが期待できます。

それぞれについて見ていきましょう。

  • マンション全体の資産価値向上が期待できる
  • 管理組合の目標設定や運営がしやすくなる
  • 損害保険料の割引やリフォーム融資の優遇などが受けられる
  • 自分の理想とするマンション選びがしやすくなる

マンション全体の資産価値向上が期待でき

マンション管理適正評価制度で高い評価を獲得できれば、保険料率の見直しといったインセンティブを受けられる可能性があります。

また、管理状態の良し悪しが物件価格にも影響するようになるため、マンションの管理状態を適切に保とうという自主的な動きが生まれ、管理がしっかりと行き届いたマンションが増えることが想定されます。

これにより、マンション全体の資産価値が向上すると期待されているのです。

管理組合の目標設定や運営がしやすくなる

マンションの評価は、マンション管理業協会が定めた評価基準に則って行われます。

この「評価基準」という明確な指標ができたことによって、

  • 「来年の評価時には最高ランクを獲得できるようにしよう」
  • 「今回点数が低かったカテゴリのテコ入れをしよう」

といった目標設定が行いやすくなり、スムーズな運営に繋げることができます。

損害保険料の割引やリフォーム融資の優遇などが受けられる

現時点では具体的なインセンティブ内容は明かされていませんが、高い評価を獲得できれば、損害保険料の割引や共有部リフォーム融資の優遇などが受けられる可能性があります。

マンションを適切に管理することによって資産価値が向上し、市場における優位性を得られるうえに、インセンティブも受けられるマンション管理適正評価制度。

マンションオーナーにとって、そのメリットは非常に多いと考えられます。

自分の理想とするマンション選びがしやすくなる

前述したとおり、マンションの管理状態の評価はインターネット上に公開されますので、中古マンション購入時の検討材料としても活用できると期待されています。

6段階の総合評価だけでなく、5カテゴリー30項目のうちどこが優れていて、どこが今一歩なのかも把握できるため、自分の理想に近いマンションが見つけやすくなるでしょう。

このように、マンション管理適正評価制度は、マンションを所有・管理する側にとってだけでなく、中古マンションを検討中の方にとってもメリットがある制度なのです。

管理計画認定制度との違い

同じタイミングで導入される新制度に「管理計画認定制度」があります。

どちらも「制度を施行することによってマンションの管理状態を適切に保ち、マンションの資産価値を維持・向上させる」という目的は同じですが、大きく以下の3点で異なっています。

  • 評価主体がマンション管理業協会ではなく「地方公共団体」
  • 管理状態適正化のために助言や指導を行う場合も
  • 有効期限は5年間

特に大きな違いが、管理計画認定制度では、場合によって助言や指導といった踏み込んだ対応も行われるという点です。

マンション管理適正評価制度は「管理状態の評価を通じて、マンションの適切な管理を促す」というものですが、管理計画認定制度は「管理状態を向上すべく、時として地方公共団体が介入する」ものと言えるでしょう。

年々増え続けていく中古マンション。

老朽化が著しい中古マンションも少なくない中で、両制度の導入がどれほどの効果を発揮してくれるものか、期待が高まります。