毎年さまざまな企業が発表している「住みたい街ランキング」。
この記事では、2022年に発表されたばかりの最新版「住みたい街ランキング」をご紹介。
近年のランキングとの比較から、今人気の「ホットな街」を探っていきます。
まずは、不動産・住宅情報サイト「SUUMO」が発表している住みたい街ランキング(関東版)を見ていきましょう。
順位 | 駅名 | 都道府県 | 前年順位 |
1位 | 横浜 | 神奈川 | 1位(±0) |
2位 | 吉祥寺 | 東京 | 3位(↑1) |
3位 | 大宮 | 埼玉 | 4位(↑1) |
4位 | 恵比寿 | 東京 | 2位(↓2) |
5位 | 浦和 | 埼玉 | 8位(↑3) |
6位 | 目黒 | 東京 | 5位(↓1) |
7位 | 新宿 | 東京 | 7位(±0) |
8位 | 品川 | 東京 | 6位(↓2) |
9位 | 池袋 | 東京 | 9位(±0) |
10位 | 鎌倉 | 神奈川 | 12位(↑2) |
11位 | 渋谷 | 東京 | 11位(±0) |
12位 | 中目黒 | 東京 | 10位(↓2) |
13位 | 東京 | 東京 | 13位(±0) |
14位 | 武蔵小杉 | 神奈川 | 14位(±0) |
15位 | 船橋 | 千葉 | 22位(↑7) |
16位 | 流山おおたかの森 | 千葉 | 39位(↑23) |
17位 | さいたま新都心 | 埼玉 | 15位(↓2) |
18位 | 表参道 | 東京 | 16位(↓2) |
19位 | 中野 | 東京 | 18位(↓1) |
20位 | 北千住 | 東京 | 28位(↑8) |
あちこちで順位変動が見られますが、とりわけ目立つのが「船橋(千葉)」の7位アップと、「流山おおたかの森(千葉)」の23位アップでしょう。
逆に、TOP20の駅のうち7つの駅が順位を落としていますが、うち6つが東京都内の駅という点にも注目です。
ランキングから読み解く傾向について、次の段落で詳しく見ていきましょう。
今年も1位となった横浜は、これで5年連続の首位キープとなりました。
調査対象である20~49歳のすべての年代で1位を獲得しており、根強い人気を感じさせます。
2位には、前年まで4年連続で2位にランクインしていた恵比寿に代わって吉祥寺がランクイン。
恵比寿は4位にまで後退しました。
同様に、目黒(前年5位→6位)や品川(前年6位→8位)、中目黒(前年10位→12位)などもランクを下げており、不動の人気を誇っていた都内人気エリアにやや陰りが見える結果となっています。
その一方で、埼玉や千葉の躍進が目立っています。
埼玉では、前年4位の大宮が「横浜・恵比寿・吉祥寺」の牙城を崩して初のTOP3入り。
神奈川・東京・埼玉の駅が得点を分け合う結果となりました。
浦和(前年8位)も5位に食い込むなど、上位にランクインする駅が増えています。
千葉においては、最高位こそ船橋の15位とあまり高くはないものの、流山おおたかの森(前年39位→16位)、船橋(前年22位→15位)の2都市は、得点の増加幅でそれぞれ1位2位という結果に。
流山おおたかの森はファミリー層からの人気も高く、同サイト発表の「夫婦+子供世帯の住みたい街(駅)ランキング」においては8位と大健闘を見せています。
続いて、LIFULL HOME’S発表の「借りて住みたい街ランキング」を見ていきましょう。
順位 | 街・駅 | 都道府県 | 前年順位 |
1位 | 本厚木 | 神奈川 | 1位(±0) |
2位 | 大宮 | 埼玉 | 2位(±0) |
3位 | 柏 | 千葉 | 9位(↑6) |
4位 | 八王子 | 東京 | 4位(±0) |
5位 | 西川口 | 埼玉 | 12位(↑7) |
6位 | 葛西 | 東京 | 3位(↓3) |
7位 | 三鷹 | 東京 | 8位(↑1) |
8位 | 蕨 | 埼玉 | 7位(↓1) |
9位 | 千葉 | 千葉 | 6位(↓3) |
10位 | 川崎 | 神奈川 | 10位(±0) |
1位の本厚木、2位の大宮、3位の柏と、TOP3はすべて東京以外の都市という結果に。
4位以下を見ても、TOP10にランクインしている東京の都市はわずか3つのみで、それらも都心からは少し離れた都市となっています。
コロナ禍で人気を伸ばし、2年連続で首位に輝いた本厚木。
その本厚木を筆頭に、前年同様、都心方面へのアクセス環境が整っている準近郊・郊外に人気が集まっています。
対象的に、2020年までは4年連続1位を獲得していた池袋は年々順位を落とし、最新の調査では12位(前年5位)と、都心部の街は軒並み順位を下げる結果となりました。
前年に続いてコロナ禍の影響が顕著に出ている、2022年の「住みたい街ランキング」。
ランキング結果からも分かるとおり、コロナ禍による郊外志向は依然として続いています。
ただし、志向が高まってはいるものの、実際に郊外に移住している世帯がそこまで多くないことには注意が必要です。
メディアでは盛んに「東京都が転出超過に」と報じていますが、その内訳を詳しく見ると、実は転出が多いのは外国人世帯に限った話で、日本人世帯は逆に増加しているというケースも多いのです。
都内の賃貸需要・賃料水準は依然として高水準を保っており、このことからも、都内の賃貸需要はコロナ禍においても一定の水準を保ち続けることが予測されます。
今人気の街や、期待が高まっているエリアが分かる「住みたい街ランキング」。
しかし、ランキングに反映されるのはあくまで「志向」であり、「実態」とは異なることが多いものであることを理解しておかなければなりません。
投資用不動産を購入する際は、ランキングはあくまで参考にとどめ、その他さまざまな材料をもとに思慮深く検討することが求められます。