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税金

タワマン節税終了のお知らせ…2023年度税制改正大綱で「増税予告」

2023年4月21日 金曜日

極めて高い節税効果があるとして、長らく活用されてきた「タワマン節税」。

タワーマンションの購入を勧める営業マンから、「タワーマンションは相続に有利ですよ」というセールストークを受けた方も多いのではないでしょうか。

しかし今、このタワマン節税にメスが入ろうとしています。

節税目的でタワーマンションを購入しようと検討している方は要注意!

この記事では、

  • タワマン節税の仕組み
  • タワマン節税封じへの動き
  • この先おすすめなのはタワマンではなく「都内築浅マンション」

について、分かりやすく解説しています。

タワマン節税の仕組み

タワーマンション節税(タワマン節税)とは、タワーマンションの購入価格(時価)と相続税評価額の開きを利用した節税手法のことです。

「時価」をもとに相続税が算出される現金(預貯金)や株式などとは異なり、タワーマンションをはじめとする不動産の相続税は、主に「固定資産税評価額」をもとに算出されます。

固定資産税評価額の算出方法は複雑であるため割愛しますが、時価の50~60%程度まで圧縮できることも珍しくはありません。

圧縮すればするほど相続税の課税対象となる金額が減るため、そのぶん相続税を節税できるというわけです。

加えて、タワーマンションの場合は、

  • 総戸数が多いため、一戸あたりの土地の持分割合(敷地権割合)が極めて低くなり、相続税評価額が低く算出されやすい
  • 一戸あたりの㎡数が少なくなるため、「小規模宅地等の特例」による減額措置を受けやすい
  • 時価の場合、高層階ほど高額で低層階は低額になるが、相続税評価額では高層階も低層階も同様に算出される(専有面積が同じ場合)

などの理由から時価と相続税評価額の開きがより大きくなり、一般的な不動産よりも一層高い節税効果が期待できるとして、主に富裕層の間で人気の節税対策とされてきました。

今後どうなる?タワマン節税封じへの動き

極めて高い節税効果を得られるタワマン節税ではありますが、あまりに節税効果が大きいため、「税負担の公平性の観点」からこれまでもたびたび問題視されてきました。

2022年には、納税者が路線価を基準として申告した評価額と実勢価格があまりに乖離しているとして、国税当局が再評価を行い、多額の追加徴税をしたことの是非を問う裁判が行われました。

関係各所の注目を集めたこの裁判。その決着は最高裁判所にまでもつれこみましたが、一審・控訴審・上告審すべてで納税者が敗訴となりました。

つまり、法が「(このケースの)タワマン節税を認めない」と明らかに宣言したというわけです。

とはいえ、このような例外規定が適用される基準は極めて曖昧であり、今も見逃されている税申告が数多くあります。

こうした現状を正すべく、2023年度の税制改正大綱に、ついにタワマンへの「増税予告」が盛り込まれました。

対策として、実勢に合った評価額に近づけられるよう、時価が高くなる高層階ほど相続税評価額も高くなる算出方法が検討されています。

これから選ぶべきは都内の築浅マンション

今後は有識者会議を経て具体的な内容が検討されていくため、必ずしも制度改正が行われるとは限りませんが、何らかの形でタワマン節税にメスが入る日はそう遠くないと考えられます。

これにより、「大幅な節税効果」という魅力が失われることとなるタワーマンション。

もともと、高層階は家賃が高額になるうえ、エントランスへの導線が長かったりエレベーターが混み合ったりで外出の手間が増えるため、タワーマンションは「入居者を選ぶ賃貸物件」であり、空室率が高くなるリスクも懸念されます。

また、維持管理費や修繕積立金も高額になりがちなため、赤字リスクの高い物件という一面も有しています。

これまでは「節税」という大きな魅力があったため、空室リスクなどを負ってでもタワーマンションを選ぶメリットがありましたが、税制改正がなされた後はそうもいきません。

これから不動産投資に挑戦しようとお考えの方は、無理にハイリスクなタワーマンションに手を出すのではなく、安定して高い賃貸需要が見込める「都内の築浅マンション」で堅実な不動産投資を始めることをおすすめします。

まとめ

かつては「大幅に相続税を圧縮できる節税対策」として知られていたタワマン節税。

今後の制度改正により、節税効果は徐々に薄れていくものと考えられます。

にも関わらず、「タワーマンションは相続税の節税にぴったりですよ」などと説明してくる営業マンがいたらご注意ください。

タワマン節税改正の兆しは関係者であれば誰もが知るところですので、あえてこの事実を伏せ、高額なタワーマンションを売りつけようとしている悪徳業者の恐れがあります。

こうした制度改正は投資家に大きな影響を与えますので、常に最新情報をチェックし、悪意あるセールスから身を守るようにしましょう。