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税金

不動産投資をするなら絶対に青色申告がおすすめ!その利点を分かりやすく解説

2023年3月10日 金曜日

毎年、新年を迎えてしばらくすると、「確定申告」に関する広告をよく目にするようになります。

会社勤めをしているとあまり馴染みがないものですが、不動産投資をする人にとっては極めて重要となる確定申告。

「青色申告」と呼ばれる形式で確定申告すればより高い節税効果が期待でき、不動産投資を一層充実したものにすることができます。

この記事では「不動産投資における青色申告のメリット」を詳しく解説していきます。

確定申告とは

確定申告とは、1年間(毎年1月1日~12月31日)の所得にかかる税額を計算して税務署に申告し、それに従って納税する手続きのことです。

会社員をはじめとする「給与所得者」は会社で年末調整(※)を受けるため、個人で確定申告を行う必要はありません。

しかし、

  1. 給与所得が2,000万円を超える給与所得者
  2. 個人事業主やフリーランスとして働き「事業所得」を得ている人
  3. 給与以外の所得合計が年間20万円を超える人

は個人で確定申告を行わなければなりません。

※:給与やボーナスから概算で徴収していた所得税(源泉徴収)と、正しい所得税の総額とを比較し、所得税の過不足を精算する手続きのこと

原則として、確定申告の申告期間は翌年の2月16日から3月15日までと定められており、所得税の納付期限も同様となっています。

つまり、2022年1月1日~12月31日分の確定申告は、2023年2月16日~3月15日までに行わなければならないということです。

期限日が土日祝日にあたる場合は次の平日に繰り越されますが、2023年3月15日は平日のため、例年通りの日程で行われます。

不動産投資をするなら確定申告はしておくべき

上述したとおり、「3.給与以外の所得合計が年間20万円を超える人」は個人で確定申告しなければなりませんが、不動産投資をしている人はこれに該当する可能性が高く、確定申告が必須となるケースが多く見られます。

「給与以外の所得」には、不動産所得だけでなく「事業所得」や「雑所得」なども含まれるため注意しましょう。

なお、「不動産所得 = 不動産収入(家賃収入など)- 必要経費」ですので、家賃収入が年間20万円を超えていたとしても、経費次第では確定申告が不要となることもあり得ます。

ただし、

  • 確定申告を毎年癖づけておくことで、万が一の申告漏れを防ぐ
  • 不動産所得が赤字の場合、損益通算によって節税効果が得られる

などの理由から、不動産所得が20万円以下であったとしても、毎年確定申告しておくことをおすすめします。

不動産投資は「減価償却費によって会計上の赤字を作り出し、損益通算によって給与所得を圧縮して節税効果を得る」ということも大きなメリットのひとつですので、不動産投資と確定申告はセットとして考えておくといいですね。

青色申告は節税におすすめ!その理由とは

確定申告には、一般的な「白色申告」と、別途申請が必要となる「青色申告」がありますが、青色申告のほうが節税効果は断然高くなります。

その理由は以下の5つです。

  • 最大65万円の青色申告特別控除を受けられる
  • 最大3年間の赤字を繰り越せる
  • 専従者給与を経費として計上できる
  • 滞納家賃の一部を経費計上できる(貸倒引当金)
  • 少額備品を全額損金算入できる(年間300万円まで)

最大65万円の青色申告特別控除を受けられる

青色申告では、最大65万円の「青色申告特別控除」を受けることができます。

原則として、所得税は「所得 = 収入 - 経費」に対して発生しますが、特別控除を受けることができれば「所得 = 収入 - 経費 -特別控除額」となりますので、所得が圧縮されたぶん所得税を節税することができます。

なお、青色申告特別控除には3種類の控除額があり、

  1. 10万円:単式簿記によって記帳した場合
  2. 55万円:複式簿記で記帳し、賃借対照表と損益計算書を確定申告書に添付した場合
  3. 65万円:2を満たしたうえで、e-Taxによる申告または電子帳簿保存を行った場合

のように、より大きな控除を受けるためには要件を満たす必要があります。

また、不動産所得の場合はさらに特殊で、65万円または55万円の控除を適用するためには「事業的規模で不動産投資を行っている」ことが必要となります。

一般的に、事業的規模の不動産投資とは、

  • 家屋の場合はおおむね5棟以上
  • アパートなどの場合はおおむね10室以上

の規模(5棟10室基準)を言います。

最大3年間の赤字を繰り越せる

青色申告を行えば、発生した赤字を翌年度以降最大3年間繰り越すことができます。

たとえば、1年目が300万円の赤字、2~4年目がそれぞれ100万円の黒字だったとしましょう。

それぞれの所得は、

  • 1年目:-300万円
  • 2年目:100万円 - 300万円(前年度からの繰越)= -200万円
  • 3年目:100万円 - 200万円(前年度からの繰越)= -100万円
  • 4年目:100万円 - 100万円(前年度からの繰越)= 0円

となるため、実際には黒字だった2~4年目にも所得税がかからなくなります。

白色申告であれば、同条件であったとしても2~4年目には所得税が発生しますので、これは大きな節税ポイントとなります。

この仕組みを「純損失の繰越控除」と言います。

また、前年度が黒字で今年度が赤字だった場合、その赤字額に応じて前年度に納めた税金の一部が還付されます。

この仕組みを「純損失の繰戻し還付」と言います。

専従者給与を経費として計上できる

事前に届出をしておけば、家族に支払った給与(専従者給与)を経費として計上することができます。

これを適用するには、対象となる家族が「青色事業専従者」として認められている必要がありますが、それには以下の条件を満たしていなければなりません。

  • 事業主と生計を一にする配偶者や親族であること
  • その年の12月31日時点で年齢が15歳以上であること
  • その年を通じて6ヶ月を超える期間(一定の場合には事業に従事できる期間の1/2を超える期間)、その青色申告者の営む事業にもっぱら従事していること

仕事内容に応じたものであれば給与額に縛りはありませんため、専従者給与を経費として計上することができれば高い節税につながります。

白色申告の場合は、

  • 配偶者なら86万円、その他親族は50万円
  • 所得 ÷(専従者人数 + 1)

のどちらか小さい方の額が「専従者控除」として認められるのみですので、これもまた青色申告における大きなメリットとなります。

滞納家賃の一部を経費計上できる(貸倒引当金)

貸倒れとは、取引先の倒産や債務超過などの理由で債権(売掛金や受取手形など)を回収できなくなることです。

引当金とは、将来的に生じる可能性のある費用や損失に備えるための準備金です。

つまり、貸倒引当金とは「貸倒れリスクに備え、損失になるかもしれない金額を予測して計上しておく準備金」となります。

不動産投資においては、滞納家賃の一部を貸倒引当金とすることができます。

滞納家賃はないに越したことはありませんが、万が一滞納が生じたとしても、その一部を経費計上できると考えれば安心感が増しますね。

少額備品を全額損金算入できる(年間300万円まで)

白色申告では、10万円以上の備品は一度に経費計上することができず、減価償却により数年かけて計上しなければなりません。

一方、青色申告であれば30万円未満の少額備品を全額損金算入(年間上限300万円)できますので、そのぶん高い節税効果が期待できます。