一度にまとまった金額を投資する「一括投資」と、毎月コツコツ投資する「積立投資」。
もちろんそれぞれにメリット・デメリットがありますが、本当に収益性が高いのはどちらの投資方法なのでしょうか?
この記事では、
について解説しています。
なるべく収益性の高い投資がしたいとお考えの方は、ぜひこの記事をご活用ください。
LIFULL HOME’Sが発表している投資シミュレーションでは、
が同一であると仮定して、一括投資と積立投資の収益性を比較しています。
その一部、元本が300万円であるケースのシミュレーションを見てみましょう。
■シミュレーションの条件
一括投資 | 積立投資 | |
運用収益 | 104.8万円 | 49.4万円 |
元本+利益(資産額) | 404.8万円 | 349.4万円 |
投資利益率 | 134.9% | 116.5% |
※:投資開始から10年が経過した時点の成績
上記の条件でシミュレーションした場合、10年後の手元の資産額は一括投資で404.8万円。
積立投資では349.4万円となり、両者の資産額には約55万円の開きが出ています。
つまり、運用成績が常に一定を保っていれば、一度にまとまった金額を投資する一括投資のほうが高い収益が得られるという計算になります。
とはいえ、上記はあくまで理論上の話です。
実際の投資で、10年間常に一定の利回りをキープし続けられることはまずありえないため、このシミュレーションは参考として留めるようにしましょう。
続いて、過去の運用実績による比較を見てみましょう。
ビジネス情報サイト「ダイヤモンド・オンライン」では、「ニッセイTOPIXオープン」(ニッセイアセットマネジメント)という投信への投資実績をもとに、一括投資と積立投資を比較しています。
■各投資の内容
一括投資 | 積立投資 | |
運用収益 | 146.0万円 | 206.8万円 |
元本+利益(資産額) | 266.0万円 | 326.8万円 |
投資利益率 | 221.7% | 272.3% |
※:2017年9月時点の実績
運用額の推移についてはリンク先のグラフをご覧いただければと思いますが、
などの影響を受け、一括投資・積立投資ともに運用額が大きく上下しています。
この実績における最たる特徴は、「投資開始直後に株価の大きな下落があった」ことです。
積立投資は、投資開始から間がなかったために投資元本が少なく(2009年2月時点の投資元本:17万円)、下落の影響が極めて軽微に済みました。
その後、株価が上昇する頃には徐々に投資元本も増えていたため、上昇の恩恵を最大限に受けることができたのです。
一方の一括投資では、投資開始直後の大暴落によって投資元本の半分以上を失っています。
結局最後までその大損失を引きずってしまい、積立投資ほどの収益性を実現することはできませんでした。
この実績が示すとおり、積立投資には「初動は動きが小さいものの、『量』が増える後半になると変動幅が大きくなる」という特徴があります。
株価が低迷している時期は『量』を多く買える時期と割り切り、いずれくるであろう株価上昇に備えることもできますので、株価低迷時にも無駄に焦らずに済みますよ。
最後に、一括投資と積立投資、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
単純に「どちらがいい」と断言できるものではないため、メリット・デメリットを考慮したうえで、ご自身に合った投資方法を選んでくださいね。
投資タイミングによって高い収益性を期待することもできる一方で、大幅な下落リスクも抱えるハイリスク・ハイリターンの投資方法である「一括投資」。
一括投資に臨む際は、分散投資によるリスク軽減などの対策をとることをおすすめします。
評価益・評価損ともに変動幅が小さく、一括投資よりもローリスク・ローリターンな「積立投資」。
投資期間が長期間に及び、ある程度『量』を蓄えられてくると変動幅も大きくなっていくという特徴があります。
月々決まった額を積み立てていくため、一度にまとまった資金を用意することが難しい人にもおすすめです。