「将来、自分はどの程度の年金を受け取ることができるのだろう?」
「本当に年金制度が破綻することはないのだろうか?」
近年、こうした年金不安を抱える人が増えています。
そんな年金不安を解消するにはいったい何が有効なのでしょうか?
この記事では、年金不安への対策にも「不動産投資」がおすすめである理由を解説します。
公益財団法人・生命保険文化センターが行った調査によると、自分の老後生活に「不安感あり」とした人の割合は84.4%。
不安の具体的な内容としては「公的年金だけでは不十分」という回答がもっとも多く、実に82.8%もの人が年金不安を感じていることが分かりました。
続く「日常生活に支障が出る(57.4%)」、「退職金や企業年金だけでは不十分(38.8%)」への投票率と比べて「公的年金だけでは不十分(82.8%)」と回答した人の割合が抜きん出て高いことからも、極めて多くの人が年金不安を感じていることが伺えます。
少子高齢化が進み、年金受給額の減少が不安視される昨今。
その一方で、老後の生活費に2,000万円がかかるといういわゆる「老後2,000万円問題」が取り沙汰されるなど、老後への不安感の高まりは留まるところを知りません。
そんな近年では、年金だけに頼らず、自助努力による資産形成で老後資金を確保しようという動きが活発化しています。
国がNISAやiDeCoといった制度を通じて資産形成を促していることもあって、投資人口は2015年から6年連続で増加傾向に。
NRIの推計によると、2021年時点で投資している人(25~69歳)は約1,470万人にのぼるとされています。
年金不安が高まる昨今。
その対策として投資を行う人が増えていますが、中でもとりわけ年金代わりとして有効視されているのが「不動産投資」です。
その理由は以下の3つにあります。
短期的な売買によって収益を得る、株式投資やFX。
運用次第では一度に大きなリターンを期待することもできる投資方法ですが、相場の変動具合によっては多大な損害を被るリスクも抱えています。
また、保有している金融資産を売却してしまうと、その後はリターンを得ることができません。
一方の不動産投資は、入居者さえ確保できていれば、定期的かつ長期にわたって家賃収入を得ることができます。
資産を売却することによって売却益を得るのではなく、資産を保有し続けることによって収益をあげるため、長期的に安定したリターンが期待できるのです。
不動産投資の特徴として、「所有している投資用物件に自分自身が住むという選択肢もある」という点が挙げられます。
安定的に入居者を確保できるのであれば賃貸に出し、家賃収入を得ることが望ましいですが、ご自身も賃貸住宅にお住まいの場合などは、最終的に投資用物件を住居とすることも手段のひとつです。
ただし、投資用物件を住居とする場合にはいくつか注意点があります。
基本的には投資用物件として活用しつつ、「もしもの場合は自身の住居として活用できる」と考えることができれば、老後の安心感も増すのではないでしょうか。
不動産投資は、日常的に行う業務が少ないという点も魅力のひとつ。
物件の管理などを不動産管理会社に依頼してしまえば、身体的に働くことが厳しくなってきたとしても、引き続き安定した収入を得ることができますよ。
不動産選びに失敗してしまうと、年金代わりどころか大きな負債となってしまう恐れもある不動産投資。
ただでさえ年金不安があるなかで、不動産投資も赤字続きで先が見えない……となってしまっては本末転倒ですよね。
そうならないために、不動産投資を始める際には以下の注意点を押さえておきましょう。
不動産投資における最たるリスクが「空室リスク」です。
いくら高家賃が期待できる不動産を所有していたとしても、入居者が入ってくれなければ家賃収入が得られません。
また、長期にわたって行う不動産投資の場合、経年劣化や周辺環境の変化による「家賃下落リスク」も考慮しておく必要があります。
こうしたリスクを可能なかぎり回避するためには、資産価値が下がりづらい物件を選ぶことが欠かせません。
不動の人気を誇る駅近物件や生活環境が整った物件、光熱費を割安に抑えられるZEHなど、年月を経ても価値を保ち続けられる物件を見つけ出すことが重要です。
もし、不動産投資をすすめる営業トーク中に「ローン完済後は家賃収入をすべてそのまま年金代わりに受け取ることができます」と言われたら要注意!
もしかすると、甘い言葉で投資家を惑わせる悪徳不動産会社かもしれません。
不動産投資を行っていると、修繕積立金や管理費など、さまざまな支出が発生します。
築年数が経過した物件は修繕費がかさむ傾向にあるため、修繕積立金などは投資開始時点より高額になっている恐れもあります。
つまり、たとえローンを完済したとしても、家賃収入がすべて手元に入ってくるわけではないのです。
修繕積立金や管理費、保険料などを加味することはもちろん、経年による修繕費の増額や保険料の上昇リスクなども可能なかぎり考慮したシミュレーションをたて、本当に年金代わりになってくれる不動産投資を行うようにしましょう。
変動金利で不動産投資ローンを組んでいる場合、ローン返済中に金利が上昇してしまうリスクがあります。
借入額が高額になりがちな不動産投資ローンでは、少しの金利上昇が大きな支出につながってしまう恐れも……。
ローンの金利が上昇したからといって家賃相場が上昇するとは限らないため、支出が増える一方で収入は据え置きとなってしまう可能性も大いにありえます。
もちろん、金利が安くなる可能性もありますが、万が一金利が上昇した場合でも滞りなく返済できるよう、余裕をもったキャッシュフローを構築することをおすすめします。