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老後資金の必要額は本当に2,000万円?しっかり備えて安心の老後基盤を

2022年5月27日 金曜日

テレビのワイドショーや週刊誌などでたびたび見かける「老後資金の必要額は2,000万円」という文言。
こうした文言を見かけると、自分の老後は大丈夫だろうかと胸がドキリとしますよね。

今回の記事では、そんな気になる老後資金について解説します。

「老後資金の必要額=2,000万円」は本当?

そもそも、「老後資金の必要額=2,000万円」という論拠はどこからきているのでしょうか。
それは、2019年6月に金融庁が公表した『金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」』(以下「報告書」)内のとある指摘にありました。

その報告書では、

  1. 高齢夫婦無職世帯の家計において、実支出が実収入を毎月平均約5万5,000円上回って赤字となっている(2017年調査の家計調査より)
  2. 60歳の定年退職後の平均余命は20~30年程度と想定(2017年調査の平均寿命「男性:81.1歳、女性:87.3歳」より)

となることを指摘しています。
この「1)毎月の赤字」に「2)平均余命」をかけ合わせると、

  • 余命20年の場合:5万5,000円×12ヶ月×20年=1,320万円
  • 余命30年の場合:5万5,000円×12ヶ月×30年=1,980万円

となり、「単純計算で不足額の総額は1,300万円~2,000万円になる」と懸念を提示したのです。

もちろん、不足額は各々の収入・支出やライフスタイルなどによって大きく異なることも併せて説明されていますが、この衝撃的な指摘を受けて「老後資金の必要額=2,000万円」という説が広く認知されるようになりました。
なお、上記はあくまで「(老後に)本人が健康に生活するうえで必要となる資金」の話です。
遺された家族に負担をかけないことを考えると、上記に加えて、

  • 介護費用:一人あたり約500万円
  • 葬儀費用:一人あたり約200万円

の合計700万円程度、夫婦であれば倍額の1,400万円程度も蓄えておけると安心です。
つまり「老後資金は合計3,000~3,500万円程度あると安心できる」となるため、一般的に認知されている2,000万円でも決して万全とは言えないのです。

老後資金の内訳と見直しポイント

老後を快適に過ごすために必要となる老後資金。
そんな老後資金の内訳は、いったいどのようになっているのでしょうか。
総務省統計局が発表した「家計調査年報(家計収支編)令和元年(2019年)」によると、老後の夫婦2人世帯の実際の生活費は【27万929円/月額】となります。
その内訳を見てみましょう。

※:諸雑費や交際費、仕送り金など
夫婦二人で毎月30万円近い支出がありますが、中でもとりわけ大きな割合を占めているのが以下の3つです。

支出が多い費用項目TOP3
1位:食料 6万6,458円(27.7%)
2位:その他消費支出 5万4,806円(22.8%)
3位:交通・通信 2万8,328円(11.8%)

高い割合を占めるこれらの支出を見直すことで、効率的に支出全体を抑制することができると考えられます。
早速「食料」から順に見ていきましょう。

老後資金の見直しポイント①食料

総務省が行った別の調査によると、二人世帯の食費のうち「外食費」と「調理食品(惣菜や冷凍食品など)」への支出は実に5割近くを占めているんだとか。
食事を外食や惣菜で済ませると手間がありませんが、そのぶん出費がかさんでしまいます。
また、自炊に比べて塩分や脂質が多い傾向にあり、外食や惣菜ばかりに頼ってしまうと老後の体にもよくありません。
食料への支出を抑え、また体を健康に保つためにも、なるべく自炊を増やすよう心がけることをおすすめします。

老後資金の見直しポイント②その他消費支出

その他の消費支出には諸雑費や仕送り金などが含まれますが、その半数を占めているのは「交際費」です。
近所の人や社会との関わりは、健やかな老後を過ごすうえで欠かせないものです。

また、交際費には「他の世帯への贈答品やサービスの支出」も含まれており、子供や孫へのプレゼントなども含まれていると考えられます。

こうした項目を無理に削ってしまうと周囲との関係性にも変質をきたす可能性があるため、交際費の支出にはある程度目をつぶってもいいでしょう。
そのぶん、「必要なわけではないのについ買ってしまった」といった”ついで買い”による無駄な諸雑費を抑えるようにしましょう。

老後資金の見直しポイント③交通・通信

人生で一番高い買い物は「家」、次いで高いのが「保険料」……というのが一般的でしたが、現代においては、携帯電話代やネット通信費などの「通信費用」が家に次いで高い買い物であるとも言われています。
携帯電話代やネット通信費などは毎月支払われるものですので、余分なサービスをつけてしまうと年々出費がかさんでいきます。
なるべくシンプルなプランを選んだり格安スマホを利用するなど、使う量に応じた適正価格を見つけられるようにしましょう。

まとめ

「2,000万円でも難しいのに、3,500万円も老後資金を蓄えるだなんてとても無理だ……」
きっと、この記事を読み終えてそう感じている方も多いことでしょう。
たしかに、いくら身を粉にして働いたとしても、給与収入だけで3,500万円もの大金を貯めきるのはなかなかに困難です。

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快適な老後への蓄えとして、ぜひ不動産投資をご活用ください。