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不動産投資の利回りは「高ければ良い」は間違い?賢い投資家が知る本当の見極め方

2025年8月22日 金曜日

不動産投資を検討する際、多くの方がまず注目するのが「利回り」ではないでしょうか。

利回りとは、投資した金額に対してどれくらい収益が得られたかの割合を示す指標であり、不動産投資市場においても、物件ごとに利回りが提示されていることが一般的です。

利回りが高ければ高いほど、投資額に対して多くの収益が得られるわけですから、物件を選ぶ時にも「利回りが高い物件を選べばいい」と考えてしまうかもしれません。

しかし実は、不動産投資においては、必ずしも「利回りが高い=優良物件」とは限らないというのが現実です。

なぜ、「利回りが高い=優良物件」とは限らないのでしょうか。

この記事では、その理由について詳しく解説していきます。

不動産投資における「利回り」の基本を押さえよう

不動産投資における「利回り」とは、物件に投資した金額に対して、どれだけの収益が得られるかを示す指標です。

しかし、実は、不動産投資においては「利回り」にも三つの種類があります。

利回りに対する勘違いや失敗の多くは、利回りの種類とその意味を正しく理解できていないことが大きな原因となります。

「利回りが高い=優良物件」というまやかしに惑わされないためにも、まずは利回りの種類と意味をしっかりと学びましょう。

表面利回り

表面利回りは、現在の家賃収入や入居率から算出した「年間の家賃収入」を物件価格で割ったものです。「グロス利回り」と呼ばれることもあります。

表面利回りは、以下の計算式で算出できます。

表面利回り(%)= 年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

これは物件検索サイトなどでよく見かける利回りですが、管理費や修繕費、空室リスクなどのコストは一切考慮されていない点に注意が必要です。

見かけ上は「たくさん利益が得られそう」という物件も、いざ運用してみると建物の老朽化が進んで修繕積立金が値上げされたり、突発的な修繕費が多発したり、なかなか入居者が見つからなかったりと支出がかさみ、後述する「実質利回り」が「表面利回り」を大きく下回るケースも珍しくありません。

想定利回り

想定利回りは「常に満室であることを想定して算出された利回り」です。

たとえ入居率が低い物件であっても、理論上満室で稼働した場合の収益をもとに利回りが計算されているため、表面利回りよりもさらに「実質利回り」と乖離するケースが目立ちます。

計算式は以下のように表されます。

想定利回り(%)= 満室稼働時の年間家賃収入 ÷ 物件価格 × 100

実際の収益性を保証するものではなく、参考程度に見るのが賢明です。

実質利回り(ネット利回り)

実質利回りは、年間の家賃収入から実際の運営コスト(管理費、固定資産税、修繕積立金など)を差し引いた後、物件価格に対してどれだけの収益が残るかを示すものです。

今回ご紹介した3つの利回りの中で、もっとも実態に近い利回りとなります。

計算式は以下の通りです。

実質利回り(%)=(年間家賃収入 - 年間経費)÷ 物件価格 × 100

本来、投資判断をする上で最も重視すべきなのはこの「実質利回り」です。

しかしながら、前述した通り、普段目にする利回りは「表面利回り」であることが一般的で、年々維持費が上昇していく中古物件においては、とりわけ「実質利回り」と「表面利回り」の乖離が顕著になります。

そのため、表面利回りの高さを信じて購入しても、いざ運用してみると「利回りから期待していたほどの利益が得られない」となってしまうことが多いのです。

高利回り物件に潜む危険なリスク

利回り(表面利回り)が高い物件は一見魅力的に映りますが、何度もお伝えしている通り、必ずしも優良投資先とは限りません。

実は、高利回り物件には以下のようなリスクが潜んでいます。

築年数が古く修繕コストがかさむ

高利回り物件の多くは築年数が古く、表面的な価格が安いため利回りが高く見えるというものが大半です。

よって、経年劣化によって給排水設備や外壁、屋上などの修繕が必要になることが多く、想定外のコストがかかる可能性があります。

物件を選ぶ際は、表面利回りだけでなく、より詳細なシミュレーションを元に実質利回りを算出するようにしましょう。

空室リスクが高い立地

利回りが高い物件、つまり物件価格が安い物件は、地方や駅から遠いエリアにあることが少なくありません。

安く手に入る、ということには相応の理由があるのです。

こうしたエリアでは入居者の需要が限られ、空室リスクが高まる傾向にあります。

その結果、家賃収入が安定せず、利回り通りの収益が得られないケースも。

管理の手間やリスクが増大

築古物件や遠方物件の場合、トラブルや修繕対応などの管理が煩雑になりがちです。

利回りが高いからといって安易に飛びつくと、手間ばかりかかって投資効果が薄れることもあり、注意が必要です。

まとめ

利回りはシンプルな数字で表されるため比較しやすく、ついつい物件選びの際の基準にしてしまいがちですが、一般的によく目にする「表面利回り」が高い物件の裏にはさまざまなリスクが潜んでいることがお分かりいただけたかと思います。

一方、都心の新築マンションなどは利回りが低く見えますが、実は「長期的な安定収益」を見込める堅実な投資先として支持されています。

物件を選ぶ際は、表面利回りの高い・低いだけではなく、

  • 空室リスクが低く安定収入が見込める
  • 将来の資産価値が落ちにくい
  • 管理の手間やリスクが少ない

なども綿密に調べて比較するようにしましょう。

都心・新築・駅近といった優良条件の物件は、利回りこそ控えめでも、堅実な不動産投資を実現する大きな一歩となるでしょう。