不動産投資を始めるうえで、最初の、かつ最大のハードルとも言えるのが「投資用物件の購入」ではないでしょうか。
そんな時に、購入価格を安く抑える手段として用いられる選択肢のひとつが「競売物件」です。
一般的な不動産市場とは異なる取引方法を取る、競売物件。
少し耳慣れない言葉ですが、この記事では、そんな競売物件の基本的な知識から購入の流れ、注意点までをわかりやすく解説し、実際に競売物件を購入する際の不安を解消します。
競売物件とは、債務不履行や税金滞納などの理由で裁判所が売却を命じた不動産のことを指します。
所有者が借金を返済できない場合や税金の支払いが滞った場合などに、対象者の所有不動産が競売にかけられることになります。
競売物件の最大の特徴は、購入価格が市場価格よりも安くなる傾向にあることです。
これは、債権者が、競売を通じてできるだけ早く債権回収を目指すために売却価格を低く設定することが多いためです。
一方で、比較的安価に購入できる反面、競売物件にはリスクもあります。
競売物件の状態や法的な問題が解決されていないまま競売に出されるケースもあるため、事前に物件情報を集め、法的なチェックを怠らないようにしましょう。
また、競売はオークション形式で行われるため、競り合いが激しくなることもあります。事前にしっかりと予算を決めて、冷静に判断することが成功への鍵となります。
「競売物件を不動産投資に使ってはならない」という決まりはありませんが、法的な観点も含めた入念なチェックと、冷静な判断が必要となります。
競売は、一般的な売買とは異なり、裁判所を通じて行われるため、取引に関するルールや手続きが異なります。
そのため、競売物件を購入するためには特有の知識と準備が必要です。
競売物件の購入には、いくつかのステップがあります。
最初に、裁判所のホームページなどで競売物件の情報を調べましょう。
競売物件は各地の裁判所で情報公開されており、入札予定の物件が公開されているため、インターネットで簡単に情報を取得できます。物件情報には、所在地、面積、物件の状態などが詳細に記載されており、購入するかどうかの判断材料となります。
各地の裁判所の競売物件を掲載している「BIT」というサイトもありますので、便利な方をご活用ください。
次に、競売物件の現地見学を行うことをお勧めします。
写真や資料だけでは実際の状態がわかりにくいため、現地を訪れて物件の状態を確認しましょう。特に、リフォームが必要かどうかや、周辺環境などは入念にチェックしておくといいですよ。
その後、入札の準備を進めます。
入札は通常、裁判所で行われますが、最近ではインターネットを通じて入札を行うこともできるため参加方法を確認しておきましょう。
入札には参加費用や保証金が必要になることもあります。事前に必要な費用を準備しておくことが大切です。
入札を行った後、落札結果が発表されます。
落札できた場合には購入手続きが始まります。競売物件の購入手続きは、通常の不動産取引とは異なる部分が多いため、専門家のサポートを受けることをお勧めします。
競売物件には、魅力的な価格で購入できる反面、いくつかのリスクも存在します。
その最たるものが、競売物件の状態や法的な問題に関する不確実性です。
リスクをしっかりと理解し、対策を講じることで、競売物件の購入を成功に導きましょう。
競売にかけられる物件は、通常、売主(元所有者)の負債が原因で競売に出されるため、物件が所有者によって十分に管理されていなかった可能性があります。そのため、物件の状態が悪化しているケースも少なくありません。
水漏れや設備の不具合、壁のひび割れなど、修理が必要な箇所が多いと、購入後の修繕費が嵩んでしまう恐れがあります。
競売物件には、既存の住民がいる場合や近隣トラブルを抱えていることもあります。
既存住民が退去しない場合、強制執行が必要となることがあり、退去手続きを行うために時間や費用がかかる恐れがあります。
競売物件には負債が残っている場合があるため、購入後にその債務を引き継ぐ可能性もあります。
このような法的な問題を避けるためには、事前に入念な調査を行い、リスクを最小限に抑えることが求められます。
競売物件を検討する際には、物件の立地や状態だけでなく、法的なことまで含めたさまざまなことを考慮しなければならない点に注意しましょう。
競売物件の購入を成功させるためのポイントとして「事前の調査」は絶対に欠かせません。
物件情報は裁判所や各種ホームページなどで公開されていますが、その内容だけでは不十分なことも多いものです。
現地確認や周辺環境の調査を行うことで、物件の状態や将来的な価値をより正確に把握しておきましょう。
また、予算をしっかり決めておくことも重要です。
競売物件の競りにおいては、価格が予想外に高騰することもあります。自分が支払える範囲で入札額を設定し、冷静に競り合いを進めましょう。
最後に、専門家のサポートを受けることも一つの方法です。
競売物件の取引や事前調査には法的な知識が必要な場合が多いため、弁護士や不動産業者の助けを借りることでリスクを減らし、競売物件の購入をスムーズに進めることができます。
この記事では、競売物件についての基本的な知識から購入の流れ、リスク、成功のためのポイントまで幅広く解説しました。
競売物件の購入は慎重に行うべきですが、しっかりと準備をして挑めば、お得に不動産を手に入れるチャンスも広がります。
不動産の購入価格でお悩みの方は、競売物件もひとつの選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。