都心から郊外へ人が流れ、コロナが猛威を奮っていた頃には「都心離れ」という言葉が頻繁にニュースや誌面で踊っていました。
しかし、現在は再び「都心回帰」ーーつまり東京都心に再び人口が集中する傾向が強まっていることをご存知でしょうか?
本記事では、公的データをもとにその理由を解説し、不動産投資の観点から「都心回帰」を元にした今後の戦略をご紹介します。
コロナ禍で一時的に都心離れが進みましたが、現在は明確に流れが変わっています。
ここでは公的データから実態を確認します。
総務省の「住民基本台帳人口移動報告」によると、2023年以降、東京都への転入超過数は再び増加傾向にあります。特に東京23区は若年層を中心に人口流入が回復しています。
また、国土交通省の地価LOOKレポートでも、主要都市の住宅地は上昇傾向が続いており、都心部の需要回復が確認されています。
加えて興味深いのが、帝国データバンクが発表している『首都圏「本社移転」動向調査(2025年上半期)』です。
これは、2025年1~6月に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉の一都三県)と地方間をまたいだ「本社所在地の移転」が判明した企業について帝国データバンクが調査を行なったもので、これによると、同期間中に地方から首都圏へ本社機能を移転した企業は200社となっています。
この数は過去10年で最多であり、多くの企業がビジネスチャンスを求めて首都圏に進出していることが伺えます。
これらのデータから、都心回帰は決して一過性のものではなく、実態を伴ったトレンドであることがわかります。
では、なぜ人々は再び都心に戻っているのでしょうか。
その背景には複数の要因が考えられます。
まず大きいのが「働き方の変化の収束」です。
コロナ禍を期にテレワークを取り入れる企業が急増し、これまでは「出社が当たり前」だった働き方に大きな変化をもたらしました。
都心離れを大きく後押ししたのも、この、テレワークによる働き方の変化であったといえるでしょう。
しかし、テレワークは一定程度定着したものの、コロナの猛威が収まるにつれ、完全在宅ではなく出社と併用する企業が増えました。
その結果、通勤利便性の高い都心居住の価値が再評価されることとなったのです。
次に「生活利便性の高さ」です。
医療・商業・交通インフラが集中する都心は、単身者や共働き世帯にとって圧倒的に暮らしやすい環境であり、特に時間効率を重視する層に支持されています。
エンタメや教育機関も充実しているため、生活利便性を高たい・生活を充実させたい方にとってやはり都心の魅力は大きいことが伺えます。
都心回帰の流れは、不動産投資において非常に重要な意味を持ちます。
需要が集中するエリアに投資することは、空室リスクの低減に直結するためです。
特に都心部の単身者向けマンションは、以下の点で優れています。
確かに、都心の新築マンションは利回りが低く見えることがあります。
都心であればあるほど、新築や築浅であればあるほど物件価格が高くなるためです。
しかしこれは「リスクの低さ」と表裏一体であるともいえます。
長期的な安定運用を重視する投資家にとっては、非常に合理的な選択であるといえるでしょう。
人口減少が進む日本において「人が集まる場所」は限られています。
そしてその中心が、まさに都心なのです。
政府の将来推計人口でも、大都市圏への人口集中は今後も続くとされています。
つまり、不動産投資においては「人口が減るかどうか」ではなく、「どこに集まるか」を見極めることが重要です。
その観点で見れば、都心は今後も最有力エリアであり続ける可能性が高いといえます。
一時は都心離れが叫ばれ、都心での不動産投資を不安視された方もいらっしゃったかもしれませんが、都心回帰は公的データでも裏付けられた明確なトレンドです。
利便性・働き方・資産性の観点から、今後も都心への需要は堅調に推移すると考えられます。
不動産投資においては、短期的な利回りだけでなく「安定性」を重視し、都心の優良物件を選ぶことが成功の鍵となるでしょう。