不動産投資のキャッシュフローがマイナスになった時、あなたならどうしますか?
この記事では、
を分かりやすく解説いたします。
いざという時に慌てずに済むよう、不動産投資に臨む前にぜひご覧ください。
キャッシュフローとは「現金の流れ」を意味する言葉で、経営や投資を評価するための重要な指標のひとつです。入ってくる現金を「キャッシュ・イン・フロー」、出ていく現金を「キャッシュ・アウト・フロー」と呼びます。
不動産投資においては、主に家賃収入がキャッシュ・イン・フロー、ローン返済費や管理費などの支出がキャッシュ・アウト・フローとなります。
不動産投資で「キャッシュフローがマイナスになる」とは、ローン返済費などのキャッシュ・アウト・フローが、家賃収入などのキャッシュ・イン・フローを上回った状態、つまり赤字であることを意味します。
では、不動産投資のキャッシュフローがマイナスになってしまった場合はどうすればいいのでしょうか? すぐさま運用を諦め、物件を手放す方向で動くべきなのでしょうか。
答えは「いいえ」です。
赤字と聞くとネガティブな印象を受けてしまいますが、不動産投資のキャッシュフローがマイナスになったとしても、必ずしも「悪い状態」とは限りません。実は、キャッシュフローがマイナスであっても「許容できるマイナス」と「見直しが必要なマイナス」があるのです。
それぞれの状態について、より詳しく見ていきましょう。
キャッシュフローがマイナスであっても許容できるケースは、「キャッシュフローがマイナスになることが事前に想定できており、将来的にマイナス分を回収できる見込みがある状態」の時です。
都心部の物件は、高い賃貸需要が見込まれる一方で物件価格も高騰しがちですので、不動産投資ローンの返済期間中はキャッシュフローがマイナスになることが一般的です。月々のローン返済費が家賃収入と同等、あるいは上回るケースが多いためです。
しかし、ローン完済後は、家賃収入から修繕費や管理費といった支出を除いた金額が手元に残るようになります。機を見て物件を売却する場合、売却益が手に入る可能性もあります。そうした「将来的に手に入る収入」が「キャッシュフローがマイナスだった時期の赤字総額」を上回るようであれば、たとえ一時的にキャッシュフローがマイナスになったとしても慌てる必要はありません。
長期的な視野を持ち、腰を据えて不動産投資に臨むためにも、購入希望物件の目星がついたら綿密なシミュレーションを行いましょう。
一方で、看過できないマイナスもあります。それは「想定外の支出、あるいは収入減によってキャッシュフローがマイナスになった時」です。
事前のシミュレーションよりも修繕費が嵩んでしまった。空室が続いてしまい、期待していたような家賃収入が得られない。近隣の大学が移転したことで賃貸需要が大きく落ち込んでしまった……
こうした想定外の支出や収入減によって、プラスで想定していたキャッシュフローがマイナスになってしまった、あるいはマイナス分が大きくなってしまった場合は要注意。たとえ「将来的に一定の収入が見込めたとしても、マイナス分を十分に回収できない恐れ「があります。
こうした事態に陥らないためにも、シミュレーションは可能な限りに、かつある程度の変動幅を見込んで計算するようにしましょう。希望的観測が入り込まないよう、エリアの人口推移や再開発予定などをしっかり組み込んで考えることが重要です。