不動産投資における最たるリスク、「空室リスク」。
空室状態が長く続いてしまうと家賃収入が入ってこないうえ、空室が長期化すると部屋の状態も悪くなってしまいかねません。
空室率の高い物件と、低い物件。
この記事では、両者を分けるポイントを入居者目線から探っていきます。
株式会社SUUMOでは、定期的に「物件選びで重視したこと」に関する調査(対象:1年以内に引越しをした人)を行っています。
2021年3月・2014年12月の調査結果から、近年における「物件選びで重視されているポイント」を見ていきましょう。
TOP2の「家賃・価格」と「間取り」は依然変わらない人気ぶりを見せつけていますが、それ以外の項目では順位変動が目立っています。
上位でもっとも大きく順位を上げたのは「立地・周辺環境」で、前回の6位から3つ上げて3位にランクイン。
逆に、前回3位の「最寄り駅からの徒歩分数」は3つランクを下げ、6位に後退しました。
コロナ禍による外出自粛などを受け、公共機関を利用しての遠出よりも近場での消費活動が増え、駅徒歩よりも近隣の環境を重視するようになったことが影響していると考えられます。
こうした人気の「重視ポイント」の大半は、立地や広さなど、物件購入後にはもうどうすることもできない項目がほとんどです。
しかし、8位にランクインしている「設備・仕様(2ランクアップ)」であれば後から追加することもできるため、空室率へのテコ入れ策として有効です。
それでは、実際にはどのような設備が人気を集めているのでしょうか。
別のランキングから、入居者目線で「嬉しい設備」について探っていきます。
以下の表は、毎年恒例となっている「この設備があれば周辺相場より家賃が高くても決まる」設備ランキング(全国賃貸住宅新聞調べ)の2021年版の結果をまとめたものです。
単身者向け物件、ファミリー向け物件ごとに見てみましょう。
単身者向け・ファミリー向け物件ともに、不動の人気を誇る「インターネット無料」が引き続き1位に。
空室率対策として、まず第一に導入を検討すべき鉄板設備であるといえるでしょう。
インターネットに関連しては、単身者向けで4位、ファミリー向けでは8位に「高速インターネット」が初ランクインしている点にもご注目。
テレワークに伴うビデオ会議の増加や、動画配信サービスの普及に伴い、より快適なインターネット環境が求められていることが伺えます。
両物件とも9~10位には「ウォークインクローゼット」や「ガレージ」など下位から大きく順位をあげた設備がランクインしていますが、より上位の設備においては、多少の順位変動はあったものの顔ぶれがほとんど変わらない結果に。
コロナ禍において需要が飛躍的に上昇した宅配ボックスも、引き続きTOP3にランクインしています。
設備の追加が難しいという場合、周辺物件との差別化によって付加価値をつけることもおすすめです。
人気が見込める差別化ポイントとしては、以下のようなものが挙げられます。
引き続きDIYがブームな近年においては「生活空間を自分好みに作り変えたい」と希望する人も多いため、DIY可能物件や壁紙カスタマイズ物件などは一定の需要が期待できます。
ファミリー向け物件の場合、
など、ファミリーが喜ぶ仕組みを取り入れてみるのも手段のひとつです。