老後の生活を支える大切な制度、「年金」。
まだ若い方ほど「一定の年齢がきたら支給されるもの」という薄っすらとした認識しかお持ちでないかもしれませんが、その中に「繰下げ受給」という制度があることをご存知でしょうか?
受給開始時期を遅らせることで年金額を増やせる一方、リスクも存在する繰下げ受給。
本記事では、年金繰下げ受給のメリット・デメリットを整理したうえで、老後資金の不安を和らげる具体的な対策もご紹介します。
まずは年金繰下げ受給の仕組みを整理しましょう。
通常、老齢基礎年金や老齢厚生年金は65歳から受け取ることができます。
しかし、受給開始を66歳以降(最長75歳まで)に遅らせると、その分年金額が増えるという仕組みがあります。これが年金繰下げ受給です。
増額率は1か月あたり0.7%。
例えば、70歳から受給開始する場合、65歳からの受給に比べて年金額が42%増えます。
(繰下げ期間 60ヶ月 × 0.7% = 42%)
ただし、特別支給の老齢厚生年金には繰下げ制度がありません。
また、昭和27年4月1日以前生まれの方、あるいは平成29年3月31日以前に老齢基礎(厚生)年金を受け取る権利が発生している方は、繰下げの上限年齢が70歳となります。
繰下げ受給には細かい決まりがあり、内容が変更される可能性もあるため、最新の情報は日本年金機構のホームページをご覧ください。
年金の繰下げ受給には、次のようなメリットがあります。
受給開始時期を繰下げることで、一生涯にわたり高い年金額を受け取れるため、長生きすればするほど受給額を増やすことができます。
人生100年時代と言われる中、老後が30年以上続くケースも珍しくありません。
本来であれば喜ばしいはずの「長寿」ですが、年金以外に収入のない状況が長く続くと生活が圧迫される恐れもあります。
そんな中で、繰下げ受給によって増額された年金は、人生100年時代の長寿生活に備える安心材料にもなります。
退職直後は他の所得があるケースが多いため、受給を遅らせることで税負担を抑え、より効率的に年金を受け取れる可能性もあります。
一方で、繰下げ受給には注意が必要なデメリットも存在します。
年金を受け取らない期間が長いほど、亡くなる時期によっては、回収できる年金総額が減ってしまうリスクがあります。
平均寿命を下回った場合は「損」と感じる可能性も。
繰下げ中は年金を受け取れないため、収入源がない人は生活費に困る恐れがあります。
年金繰下げ受給を選択する場合は、繰下げ期間中にも豊かな生活を送るための十分な蓄えがあるかどうかを必ず確認しておきましょう。
60代後半から70代前半は健康状態が変化しやすい時期。
退職によって生活習慣が大きく変わることで、体調に不調を来してしまうことも考えられます。
年金繰下げ受給を選んだ結果、こうした医療費・介護費が必要な時に資金不足になる可能性があります。
年金繰下げ受給はメリットも大きいですが、最大のメリットを受給するには「長生きする前提」が必要となります。
寿命というのは誰にも予測できないものなので、簡単に決断できるものではないですよね。
老後資金を安定させるには、繰下げ受給などの検討はもちろんですが、年金に頼り切らず、別の収入源を確保することも極めて大切です。
そこで注目されているのが不動産投資です。
都心の新築マンションなどは、長期にわたって安定した賃料収入を得やすく、長期的に老後の生活を支える柱になります。
特に「駅近」「好立地」の物件は空室リスクが低く、年金の不足分を補う心強い資産となり得ます。
運用の大半は管理会社に任せられるため手間がなく、亡くなった後は遺された家族に相続できるという点も魅力です。
さらに、不動産投資ローンを利用して若いうちに投資を始めておけば、定年退職前に完済し、老後には家賃収入をそのまま生活費に充てることも可能です。
これにより「公的年金+私的年金(不動産収入)」という二本柱の資産形成ができますので、将来の年金不安を大きく軽減できます。
年金繰下げ受給には「一生涯の受給額が増える」という大きなメリットがある一方で、「受給開始前に資金不足になるリスク」などのデメリットも存在します。
老後の生活を安定させるためには、年金だけに頼らず複数の収入源を確保することが重要です。
特に、不動産投資は安定した家賃収入を見込めるため、年金の不安を解消する有効な手段となります。
早めの準備で、安心できるセカンドライフを実現していきましょう。