2022年11月上旬、SNSで「FIRE卒業」というキーワードがトレンド入りしました。
きっかけは、30代後半でFIRE達成を果たしたというTwitterユーザーの呟きでした。
1年以上続いたFIRE生活を終え、再就職することを告げたツイートに「私もFIREを卒業します」というリプライがついたことを機に「FIRE卒業」が1,200回以上も呟かれ、皮肉や揶揄が入り混じった盛り上がりを見せたのです。
「経済的自立と早期退職」を意味する「FIRE(「Financial Independence, Retire Early」の頭文字からなる造語)」。
アメリカに始まり、日本でも「FIREムーブメント」の熱気が続くなかで、なぜ正反対である「FIRE卒業」が広がりつつあるのでしょうか。
FIREを実現するためには、日々お金の動きにアンテナを張り、試行錯誤と挑戦を続ける胆力が必要です。
並々ならぬ努力の末にFIREを達成したにも関わらず、わずか数年でFIREを卒業してしまうのはいったいなぜでしょうか。
その理由は、大きく以下の3つに分類されます。
FIREによって早期退職すると、途端に社会とのつながりが薄れてしまいます。
周囲との生活リズムにも大きな溝が生まれてしまい、これまでのような人付き合いが難しくなるケースも珍しくはありません。
結婚して家族がいる人の場合、「毎日が休日」状態となり、平日も週末も関係なく在宅している時間が増えたことで、同居する家族がストレスを抱えてしまうこともあるようです。
また、これまでは仕事を通じてやりがいや達成感を得ていたものの、FIREによってそれらを得る機会が失われてしまい、無気力になってしまったという話も耳にします。
「好きな時間に好きなことができる」という生活は極めて魅力的に感じますが、それも最初の数週間の話。
一ヶ月もしないうちに「飽き」を感じ、何をして日々を過ごせばいいか分からなくなる、という人も決して少なくないそうです。
やりたいことを次々と見つけるバイタリティや、地域活動などを通じた社会との関わりを保てればそうした事態も避けられるでしょうが、それが困難な人も多いことでしょう。
結果として、社会とのつながりややりがいを求め、一度は手放した「仕事」を再び始める人が出てきているのです。
FIREをさらに細かく分類したなかに「リーンFIRE(lean FIRE)」と呼ばれるものがあります。
「lean」とは「少ない、乏しい、余裕がない」といった意味を持つ英単語で、つまり「リーンFIRE」とは「年間支出を最低水準にまで落とし、厳しい倹約生活のもと達成するFIRE」を指しています。
リーンFIREであれば、通常のFIREよりも必要となる資産は少なく済みますが、FIREという言葉から想像するような「悠々自適な生活」とは程遠いことがほとんど。
外食や外出はできるかぎり自粛し、結婚や引越し、マイカーの購入といったまとまった費用が必要となるイベントもまず諦めなければなりません。
SNSでは、こうしたリーンFIREの様子を「ギリギリFIRE」と揶揄する風潮もありますが、こうしたギリギリの生活に嫌気がさしてしまい、せっかく実現したFIREを卒業してしまうケースも見られます。
基本的に、FIREを実現できる人は金融リテラシーが高く、無謀な投資で大損を被ることはあまりないと考えられます。
しかし、近年は株式相場が非常に不安定になっており、金融リテラシーが高い人々でさえ株で痛い目を見ることが珍しくありません。
とりわけ、これまで多くの個人投資家にとって「頼みの綱」であった米国株が暴落しており、資産の多くを失ったという話もよく耳にします。
追い打ちをかけるように、昨今は急激な物価上昇が続いています。
この状況がダブルパンチとなり、当初描いていたシミュレーションに大きな狂いが生じた結果、FIREを諦めて再就職せざるを得ない状況に追い込まれている、というわけです。
苦労してFIREを実現したにも関わらず、わずかな期間でFIREを卒業してしまう人が増えている昨今。
そうした羽目に陥らないためには、
などが大切ですが、なにより重要なのは、FIRE生活のお供として【安定性の高い投資先を選ぶ】ことにあります。
近年、FIRE卒業に追い込まれている人の中には、米国株をはじめとする株価下落に耐えられなかった人も多くいます。
一方、不動産投資であれば、株式に比べて中長期にわたって安定した収入を得やすく、早期退職後のFIRE生活を堅実に支えてくれることでしょう。
とはいえ、不動産投資一本の運用益にすべてを託すのは考えものです。
安定感の高い不動産投資を屋台骨とし、株式や投資信託といった複数の投資先で運用すれば、よりリスクを分散させつつFIRE生活を満喫することができるでしょう。
自由を夢見てFIREに到達したにも関わらず、収益の悪化でお尻に火がついてしまっては元も子もありません。
FIREを目指す方は、信頼できるパートナーとしてぜひ「不動産投資」をご検討ください。